上高今昔8(安倍能成先生の扁額)
2021年8月4日 13時55分本校所蔵の扁額(へんがく)を紹介。こちらは、本県出身の偉人、安倍能成(あべ よししげ)先生の揮毫(きごう)によるものです。
~愛媛県生涯学習センター『えひめの記憶』より~
安倍能成(1883~1966)
学習院院長。哲学者。松山城下の小唐人町(現、松山市)出身。東京帝国大学(現、東京大学)で哲学を学んだ後、慶応義塾大学・法政大学・第一高等学校(現、東京大学教養学部)などの講師や教授を歴任。哲学、哲学史研究のため、ヨーロッパへ留学し、帰国後、京城大学教授(現、ソウル大学)・同法文学部長・第一高等学校長を歴任した。太平洋戦争終戦後は、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)改造内閣で文部大臣に就任して戦後の教育制度改革に尽力し、大臣退任後は帝室博物館総長・国立博物館館長を一時勤め、新制学習院院長となって亡くなるまで在任した。また、カント哲学の第一人者で、『カントの実践哲学』、『西洋古代中世哲学史』をはじめ、読売文学部賞を受けた『岩波茂雄傳』、そのほか『戦後の自叙傳』など、多くの著書がある。
※松山中学校の卒業生であり、愛媛県立松山東高等学校に銅像があります。
書かれている内容は、
「以常心処非常 為 上浮穴高校 辛卯秋 能成」とあります。(書は、右から読みます。)
常心を以て非常に処す、平常心をもって非常な事態に対処する…。教職員の心構えとして、心に刻みたい言葉です。
「辛卯(かのとう)」の年は、昭和26(1951)年に当たります。サンフランシスコ平和条約の署名があった年ですね。