上高今昔50(部活動9 郷土芸能部)
2025年8月25日 12時03分 本校の文化部の一つに、「郷土芸能部」があります。
調べてみると「郷土芸能部」は、昭和60年度愛好会としてスタートしました。それから平成16年度までの20年間愛好会として存在し、一度途絶えます。ところが、平成21年度に再度愛好会として復活し、平成24年度に晴れて部活動に昇格しています。
毎年、三島神社で行われる久万郷全体の田畑の五穀豊穣を願った「夏祭り」では篝火の中で「久万山五神太鼓」が演じられ、迫力ある演技と幻想的な雰囲気で観衆を魅了します。この「久万山五神太鼓」を練習し、さまざまな機会に披露するのが「郷土芸能部」の活動です。
最近では、高文祭のオープニング(令和3年度)や、農業クラブ四国大会(令和6年度)のアトラクションとして、郷土芸能部のメンバーが「久万山五神太鼓」を演じました。また毎年本校の体育祭でも「久万山五神太鼓」を午後の一番目に演じ、観客を楽しませています。
「久万小田郷総鎮守三島神社」HPに五神太鼓の由来が書かれてあります。
ときは群雄割拠の戦国時代の(約400年前)、ところは、伊豫・土佐両国の国境(現在の久万郷)。久万山大除城主は大野直昌は、土佐方に包囲され滅亡の危機に陥った。
爾来、直昌公の氏神に対する感謝・崇拝の年は益々厚く、魔除先達の神としてダイバの仮面をつけ太鼓を打ち鳴らし、久万山五神の神々に感謝のまことを捧げたと伝えられている。
「ダイバの仮面」と出てきますが、「ダイバ」「ダイバン」とは中四国地方で鬼のことを意味するようです。顔にぴったり合った鬼の面は迫力がありますね。
また、『久万町誌 補訂版続編』(平成16年7月)には、次のように書かれています。
久万山五神は、空・風・火・水・埴(土)の霊神である。昭和五九年に誕生し、毎年三島神社の祭礼に奉納されている。久万小学校、久万中学校、上浮穴高校に五神太鼓クラブが置かれ、運動会などの学校行事で演奏された時期もあったが、諸般の事情で現在は小学生が神社で練習をしている状況である。
てっきり、戦国時代から継承されてきた伝統文化だと思いこんでいましたが、今演じている形の歴史は案外浅く、「昭和五九年に誕生し」とあるので、まだ四十年ほどしか経っていません。昭和60年度に愛好会ができたのもこれを若い世代で普及させようという動きであったことが分かります。
部活動としては歴史の浅い「郷土芸能部」ですが、是非この部が地域文化継承の場として末永く続いていくことを願います。保存会の方や卒業生の方にも時々ご協力いただいております。ありがとうございます。
現在は産業文化会館を借りて、毎週木曜日に練習を行っています。