上高今昔63(『山なみ』と『山麓』のつながり)
2025年12月23日 09時05分図書館2Fで『山なみ』の5号(昭和27年2月発行)から25号(昭和48年2月発行)を見つけました。うち、8号と9号は見当たりませんでしたが、実際に手に取ることができて感動です!第5号が発行された昭和27年といえば、戦後7年、この頃高校生であった方は、現在90歳前半の方々です。
表紙も色とりどりできれいです。
さて、『山なみ』については、「上高今昔48(文芸部)」で触れています。1号から4号まではザラ紙ガリ版刷で、70年以上前のものなのでもはや残っていないようです。5号からは、きちんと印刷会社に依頼し、製本されていたので図書館2Fに残存していました。
見開いて最初と最後のページには、久万町の商店等の広告が掲載されていて、スポンサーを付けて発行していたのが分かります。
内容は、俳句・短歌の韻文から詩や評論、読後感などで、まさに文芸部が発行する文芸雑誌といった感じです。
この『山なみ』の発行は25号(昭和48年2月)まで続けられています。翌年出された『山なみ 記念特集号』(昭和49年11月発行)は、文芸部の活動とはまったく無縁で、学校が新校舎落成を記念して発行したものです。「山なみ」という名前だけを拝借した「35年誌」です。
そして、昭和46年度からは、生徒会誌『山麓』も発行され始めます。これは今も続いているクラス紹介や、3年生の残す言葉、その年度の学校行事や部の活動の様子が掲載されているものですが、単独で雑誌を作るのが難しくなった文芸部は、創作した俳句や詩を、この生徒会誌『山麓』に載せることにしたようです。
「上高今昔48」の最後に、生徒会誌『山麓』6号(昭和51年度)の表紙になぜか「山なみ26号」という表記があることを記しましたが、これは当時の文芸部にとっては、昭和48年2月発行以来中断されていた『山なみ』25号の続刊という意味があったのです。